遺伝子に刻まれる生物の寿命
生物の寿命はさまざまです。ヒトは120年、ゾウは80年、チンパンジーは50年、イヌは20年といわれています。私たち人間のデオキシリボ酸(DNA)上では、なんと120歳まで生きられるようにプログラムされています。しかし、120歳まで生きる人はなかなかいませんよね。それはなぜでしょうか?
人間の体の約60兆個の細胞は、毎日200個に1個の割合で古い細胞が死に、新しい細胞に生まれ変わります。しかし放射線や紫外線などで細胞のDNAが傷ついた場合には、次第に修復能力が低下し、組織や臓器の機能も弱まり、動脈硬化やがんなどの病気にかかるリスクが高くなるのです。

私たちの先祖の平均寿命は、縄文時代では15~20歳、江戸時代では30歳代であったと推定されています。明治時代に入っても結核で亡くなる人が多かったため、40歳代前半が平均でした。 戦後、健康意識の向上による衛生面や栄養状態の改善や、医療の進歩などにより平均寿命は一気に延びました。
現代の日本人の平均寿命は、男性が76歳、女性が86歳。また、高齢化に伴い日本人の3人に1人が65歳以上の高齢者になるといわれています。今世紀の終わりには、日本人の平均寿命は100歳に限りなく近づくと予想されています。120歳以上の人も多くなるかもしれません。



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