DNAの歴史
細胞内物質であるDNAについての研究は、19世紀半ばから盛んに行われるようになりました。DNAは細胞の核という部分にあり、酸性を示す物質であることから核酸として認められていました。1929年になると、糖の構造の違いから、核酸はDNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)の2種類に分けられることが分かりました。 20世紀初頭には、イギリスの遺伝学者フレデリック・グリフィスらによって肺炎双球菌を用いた遺伝子の実態を探る実験が行われるようになります。第二次世界大戦後の1944年、アメリカの医学研究者オズワルト・アベリーが、形質転換させる物質がDNAであることを発見。毒性を持たない菌に毒性を持つ菌を抽出液の成分からDNAを与えて形質転換が起きたことから、DNAが遺伝子であることを明らかにしたのです。

遺伝子検査では、一般的にDNAの“変異”を調べる方法が多く用いられます。“変異”というと少し奇妙なイメージがあるかもしれませんが、簡単に言うと「遺伝子を構成する基本的な要素である塩基の並び方が違う」というだけで、ほとんどの日本人の『学習』『身体』『感性』の3つの遺伝子のうちいずれかに変異があるといわれています。



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